転職エージェントの裏事情とは
転職をする際、特にはじめて転職をするという人はどのような手順で転職活動を進めていけばよいかわからなくなってしまうものです。
そういったときに転職エージェントはとても頼りになります。
転職エージェントは転職を有利に進めていくためのアドバイスをしてくれるだけではなく、スキルや得意分野に合った企業まで紹介してくれます。
しかしながらすべての登録者を平等に扱っているわけではないというのもまた事実です。
目次
転職エージェントはどのように利益を確保しているのか
転職エージェントは登録をするのも実際に利用するのにも一切お金がかからないところがほとんどです。
利用する側としては嬉しい限りですが、不思議に思ったことはないでしょうか。
転職エージェントはもちろんボランティアで登録者に対して転職活動を斡旋しているわけではありません。
転職エージェントが登録者に対して転職が成功するように色々とアドバイスするのはそれがエージェント会社にとって報酬に繋がるからです。
転職エージェントは企業にとって有益転職者を紹介し、転職に成功させることで報酬を得ている
転職エージェントがどのように報酬を得ているのかというと、新しく社員を補充したい目的で転職エージェントに求人募集をしている企業に対して登録者の中から企業の要望と一致しそうな人を紹介します。
そして企業が実施する採用試験に合格し、実際に転職に成功した時点で転職エージェントに対して報酬を支払うというシステムになっています。
報酬の相場
転職エージェントという仕事は登録者一人一人からヒアリングをおこなって職務経歴やスキル、そしてどのような企業に転職したいのかを聞かなければいけませんし、その希望に見合った企業を探すのも転職エージェントの仕事です。
要望に合致する企業が見つかり、登録者が実際に転職をする決意をすれば転職を成功させるために職務経歴書や履歴書の書き方、そして面接の攻略法などをアドバイスしていきます。
このようにとても手間がかかる仕事なので、転職エージェントが受け取る紹介手数料は登録者の年収の3割から3.5割とかなり高いです。
報酬が高くても企業が転職エージェントを利用する理由
以上のように転職エージェントへ支払う報酬はかなり高額となるため、企業にとってはリスクが高いことのように思えます。
それでも企業側が転職エージェントを利用するのは転職エージェントを利用した方が対費用効果で考えると効率が良いためです。
転職者がよく利用するツールには転職エージェントのほかにも転職サイトがありますが、転職サイトは企業から自分のサイトに登録してもらう際に掲載料を支払ってもらうシステムになっています。
求人サイトも一週間求人広告を掲載するだけで数十万円必要となるなど、かなり高額です。
更に転職サイトに掲載しても登録者がその募集を閲覧し、実際に転職をしようと考えて履歴書などを送ってくれなければ支払った数十万円は無意味になります。
企業側にとって転職サイトは転職をしてもらいやすいように催促する方法がありません。
一方転職エージェントならば登録をしておけばいずれ転職する人を紹介してもらえる可能性は高いです。
初期投資は転職サイトと比べると高額ですが、それに見合った効果は確実に得られます。
報酬のシステムを知ると本音が見えてくる
転職エージェントの報酬体系を見ると、裏事情が見えてきます。
転職エージェント側としては優秀な登録者に対して優先的に企業を紹介したい、というのが本音です。
優秀な登録者を積極的に転職させるようにした方が転職に成功する確率も高いですし、転職させるまでの期間が短くなるので利益をたくさんあげることができます。
人によって受付時の対応が異なる
転職エージェントの本音からすれば明らかに自分のサイトにそぐわない人物に対してはあまり時間をかけたくありません。
登録者が登録をすると転職エージェント側から連絡が入るのですが、人によって対応の仕方が異なります。
通常の対応の仕方
通常、登録を済ませて転職エージェントから連絡が入ってくる場合は自分の会社の面談ブースに来てもらって面談をすることを伝えます。
自社ブースでの面談を要求された場合はごく普通に転職エージェント側に歓迎されています。
こちらの要望に沿った企業をいずれ紹介してもらえるでしょう。
電話で面談を済ませようとしてきている場合
登録して転職エージェントから連絡が入ってきた場合、そのまま面談を済ませようとしてくるケースもあります。
こちらにとってはわざわざ相手の会社に行かずに面談できるのでラッキーと思うかもしれませんが、じつはこの面談方法が一番転職エージェントから歓迎されていないケースです。
紹介できる企業が少ないなど、さまざまな事情であまり歓迎はされていないと考えられます。
この場合は対面での面談を希望するか、別の転職エージェントを利用するようにしましょう。
ホテルやカフェなどでの面談を薦められたとき
もし転職エージェントからホテル、あるいはカフェでの面談を希望してきた場合は積極的に転職活動を応援したいと転職エージェントが考えています。
転職エージェントにとって優秀な転職希望者は利益を生み出してくれます。
ですからライバル会社に取られたくないと考え、わざわざ自ら出向いて会おうとしてくるのです。
報酬優先で動いているエージェントも
転職エージェントのほとんどは登録者の希望を最優先にして動いてくれますが、中には自分の利益優先で動いている転職エージェントが存在するのも事実です。
転職エージェントは営業職なのでノルマがある
転職エージェントは企業に対して人材という商品を紹介し、報酬を得ているわけですからその実態は一般的な企業の営業職と何ら変わりありません。
一般的な企業の営業職では一定期間ごとにノルマを課せられていることが多いですが、転職エージェントも同様にノルマを設定しているところがほとんどです。
なかにはとても厳しいノルマを要求してくるところや、違法ではありますがノルマを達成できない社員に対して減給処置をとる会社も普通に存在します。
転職を無理やり促す
担当しているエージェントがノルマ達成をしたいという状況の時によくあるのが転職の押し込みです。
例えばこちらの希望とは全く異なる企業なのに、転職に成功する可能性が高いといった理由だけでその企業を紹介してくることがあります。
もしも自分の希望に全くそぐわない企業を紹介されたときは正直に興味がないと伝えましょう。
断っても同じように全く的外れな企業ばかり紹介するエージェントは利益優先やノルマ達成を最優先にしている場合が多いです。
ほかの転職エージェントを利用することも検討しましょう。
内定獲得時の押し込みはさらに強烈
企業を紹介するときの押し込みも強烈ではありますが、それ以上に強烈なのが登録者が内定を勝ち取った時の押し込みです。
登録者が内定を勝ち取ったということは転職エージェント側から見れば報酬を得られるまであと一歩の状態まで来ていることになります。
あとは登録者が実際にその企業に入社することを承諾すれば紹介手数料を受け取れるとあって、特に決算前や担当者のノルマが危ない時などはしつこいくらいに入社を薦めてきます。
この時に押し切られると本当はあまり望んでいない企業に入社することになるので自分自身の軸をしっかり維持し、よく考えてから返事するようにしましょう。
裏事情を知って賢く利用する
転職エージェントはボランティアではありません。
積極的に転職のサポートｗｐしてくれるのはそれが利益につながるからです。
その裏事情を知っていると担当者の反応や態度などから、その担当者が利益優先で動いていることを読み取ることができます。
利益優先で動いている担当者の下で転職活動をしてもあまり良い結果につながりません。
別の転職エージェントを利用するなど対応していきましょう。